ファクタリングを利用する際の留意点

ファクタリングを利用する際の留意点

ファクタリングには、債権者と業者の2社間で実施するスタイルと、債権者と業者に債務者を加えて3社間で実施するスタイルがあります。
また、業者を選ぶにあたっても注意すべポイントがあります。
実際にファクタリングを利用し、即日で入金を受ける際には、スタイル違いや業者選びのポイントを確認し、最適な方法で契約しましょう。

2社間のファクタリング

2社間でのスタイルでは、債権者は業者と契約することによって、手数料を差し引いた分の売掛金を、業者から即日入金してもらう可能となります。
一方で、債務者は、債権者と業者とがファクタリングの契約をしていることは知らないため、通常の売買取引と同様に、支払期限までに債権者に支払いを行います。
債権者は、債務者から受取った売掛金を業者に支払って、契約は完了となります。
万が一、債務者から債権者への支払いが遅延した場合には、業者が売掛金の回収を行うことになります。
何もトラブルがなければ、債権者は顧客である債務者には知られずに、売掛金回収に関連するリスクを業者に転嫁できるため、顧客との関係に悪影響がおよぶことはありません。

3社間のファクタリング

3社間でのスタイルでは、取引に際して、あらかじめ、債権者と債務者と業者の間で売買契約を結びます。
債権者は、売掛金の債権を業者に譲り渡し、手数料を差し引いた分の売掛金を業者から即日入金してもらうことが可能です。
そして、債務者への売掛金の回収は、業者が行います。

3社間で契約を交わす場合、債務者が参加する分だけ手数料が安くなる傾向があります。
一方で、売買取引において第三者として業者を入れるため、債権者からすると顧客との信用問題に発展する可能性もあります。
3社間のスタイルにおいては、事前に顧客に対して丁寧な説明を行い、理解を得ることが大切です。

業者を選ぶ際の注意点

業者の中には悪徳業者も存在します。
そのような悪徳業者と契約しないためにも、ファクタリングを利用する際は次の点に注意しましょう。

・手数料が高すぎたり、不透明な料金体系になっていないか
・業者の住所、電話番号などの情報が公開されているか、また、偽りの情報ではないか
・担保や補償金など、本来不要な料金を要求してこないか
・契約書の取り交わしを確実に行うか

業者を探す際には上記の点を確認しつつ、インターネットのレビューなども参考にして、最適な業者を選びましょう。

ファクタリングのメリットとデメリット

ファクタリングのメリット

ファクタリングのメリットについて、債権者、債務者、ファクタリング業者のそれぞれの視点から整理してみましょう。

債権者のメリット
・支払期限が来ていない売掛金の即日入金が可能となる
・支払期限には売掛金の満額が確実に入金される
・顧客である債務者との間で、支払い滞納などのトラブル発生のリスクがなくなる
・貸し倒れリスクは業者が負ってくれる
・売掛金の回収コスト(領収書発行に伴う印刷代や郵送料、人件費)が不要となる
・約束手形や債権の紛失や盗難のリスクがなくなる

債務者のメリット
・約束手形や債権の発行が不要となり、事務手数料が削減できる
・債権者との間での、支払いに関するトラブル発生のリスクがなくなる
・ファクタリングのシステムへの参加は担保が不要であるため、手元に現金がない場合でも取引が成立する

業者のメリット
・債権者から手数料を徴収できる
・債権者および債務者からシステム参加料を徴収できる

ファクタリングのデメリット

一方で、ファクタリングを利用する場合は、当然デメリットもあります。
債権者、債務者、ファクタリング業者のデメリットは以下のとおりです。

債権者のデメリット
・業者への手数料が比較的高額である
・システム参加料が発生する
・優良な業者を選ぶ必要がある

債務者のデメリット
・システム参加料が発生する

業者のデメリット
・債務者の支払い遅延や倒産した際の貸し倒れのリスクを負わなくてはいけない

メリットとデメリットのまとめ

このように、ファクタリングはどちらかというと債権者にメリットが大きいサービスです。
債権者はこのメリットを得るために、システムへの参加料に加えて、即日入金や支払期限前の入金に対して相応の手数料を支払っているわけです。
一方で、債務者にとっても、担保なしで高額の取引に参加できるのは大きなポイントと言えるでしょう。

売買取引の問題点とファクタリングによる対策

売買取引の問題点とファクタリングによる対策

業者間での売買取引においては、取引金額が即日入金されないことに加えて、以下の問題点があります。

問題点1 支払期限を過ぎても入金されず、それ以降もずるずると滞納されて入金されないリスクがある。
業者間での取引は信用をベースにしている面もあり、場合によってはなあなあになりがちです。
債権者からすれば債務者は長期間の常連顧客であり、一時的な入金遅れなどについては、目をつむらざるを得ない事情もあるでしょう。

問題点2 債務者の倒産や夜逃げがあった場合は、債権者は売掛金を回収できなくなる、いわゆる貸し倒れリスクがある。
万が一、売掛金の支払いを行わずに債務者が倒産してしまった場合は、債務者の支払い義務がなくなるため、その売掛金分が債権者の赤字になります。
特に小さな事業者同士の取引においては、相手業者の財務状況が不透明な場合も多く、リスクが高まります。

しかしながら、このような問題点についても、ファクタリングを活用することで解消できます。

問題点1については、ファクタリングにより、最速で即日入金が可能であり、また、第三者が取引の間に入るため、債権者は債務者に対して気を遣うことはありません。

問題点2については、債務者の支払いが事実上困難な場合、ファクタリング業者が債務者に代わって売掛金を支払います。
このように、債権者はファクタリング業者にリスクを転嫁できるため、高額な取引でも安心して売掛金を出すことができます。

ファクタリング業者の手数料は、数パーセントから十数パーセントが相場と、若干高めです。
しかしながら、この手数料を支払うことにより、第三者による料金回収作業と貸し倒れリスクの転嫁、そして、契約内容によっては即日入金も可能になるのが、ファクタリングの大きな魅力です。